('11)宗谷・礼文






去年の冬から温めていたプラン。
非公式の日本最北端の滝を見に行く旅。
それを遂に実行に移すに至った次第。
今回の旅のプランは、4/28の深夜バスで稚内に行き、4/29早朝のフェリーで礼文島に渡る。
夕方に稚内に帰って、日暮前にノシャップ岬へ。
そして、4/30は宗谷岬に行き、夕方の高速バスで札幌に帰還。
こうです。
ちなみに、これは出発当日に組み直した急造プランなんです。
元々は礼文島に行く予定はなく、宗谷岬とノシャップ岬を1日ずつかけて回るプラン。
しかし、某友人の通告により、急造でプランを立て直し。
こうなりました。


―0日目
この日は普通に授業ありました(笑)
授業後学生委員の会議。
そこから大通バスターミナルへと向かいます。
バスの出発は23時。
深夜高速バスで旅をするのが初めてなので、緊張なんかしてみたり。



高速バスなんですが、全然寝れません。
音楽聞きながら寝ようとしても、逆に音楽がウザくなるぐらい。
それにしても、この高速バスの中は異常に寂しかったです。
なぜか世界に1人しかいなくなった感じと言うんでしょうか?
周りに人がいるし、何回も自分しか乗ってないバスとか電車なんてのあったのに、不思議なもんですね。
全く知らぬ土地に行くからとかそういう単純な事ではないです。
旅とはそういうものですかね。
仕方ないので、闇夜の外を眺めて数時間。
外を眺めていて気付いたことが一つ。
どうも走るルートは、札幌→新十津川・雨竜町→深川市→留萌市→オロロンラインといった感じみたいです。
激しくどうでもいい(笑)
流石に、留萌を過ぎたあたりの3時にもなると撃沈しました。
というか、本当に辺りが何も見えなくなって、寝るしかなくなった(笑)




―1日目
起床時間は午前4時半。
この時間で、雨降ってるのに空が普通に明るいのが北海道の怖いところ。
夜型の俺には一生向かんな。それこそ沖縄にでも移住しようか・・・?
この高速バスで隣に座っていたおばさんと微妙に仲良くなりました。
前日がフェリーが欠航になっていたので、二人で心配話とかしてみたり。
ちなみに、その人は利尻島に行くとかで、フェリーターミナルで別れました。




高速バスは予定より10分早い5時20分に稚内FTに到着。
あ。雨やんでる。ラッキー(笑)



6時半の礼文島・香深FT行きのフェリーまで時間があるので、軽く腹ごしらえして酔い止めを飲みます。
どうせ波荒いやろうし、船酔いには本当に弱いので。
ちなみに、乗船実習の時に買ったアネロンキャップ、今回も抜群の効果を発揮してくれました。



うわー。
早いねー。
俺、普段やったらこんな時間に起きへんよ。
この時間に寝ることはあっても。
それにしても、バス内で寝れなかったので、本当に眠かったです。
それに、腹ごしらえと言っても、お菓子食べただけなんで、お腹すいて気分悪いし。
食べることにすら困るのが、都市部でない所の大変なところ。
コンビニですら近くに無いですからね。
まあ、これは夕方に稚内市の探索して知っただけなんで、この時は土地勘0の状態なんで全く動く気なし!!



フェリーの発券は6時から。
気になっていた、運行状況の方ですが・・・。
よし!ちゃんと動く!
とは言え、帰りが欠航になったらその時点で終わりなんですが(笑)
ちなみに、運賃は2等船室のみ学割が効きます。
2割引き。往復で考えると地味に大きな割引になってます。
これ買うのに、前日、数学概論の授業終わってすぐに猛ダッシュで証明書発行機に取扱い停止ギリギリで
滑り込んだんですが、その意味全くなし。
学生証を見せることなく学割で行けました。ちょっとええ加減すぎちゃう?


まあ、何もすることが無くても、時間はあっという間に過ぎていくのが旅。
もう搭乗開始の時間になります。



この時、さっき降りやんでた雨がまた降ってきました。
勘弁してくれ。
俺、一眼出して外出ちゃったよ・・・!


船の中は意外と広く、余裕で寝転がれました。
ベッドとかじゃなくて、雑魚寝の方が船は楽やと思います。
少なくとも短時間の場合は。
流石に数日以上の航海で雑魚寝はしんどいと思うけど。
そこは水産学部クオリティで!(謎




稚内FTから、香深FTまでは1時間50分。
約2時間もの間、何すんねん。
と思ってましたが、あまりの眠さに撃沈。
出航20分で意識は闇の中に。


起きた時は、もう香深FTが見えているという位置まで来てました。



船の中からの写真。
残念ながら船内の写真はありません。
人が凄い多かったんで。




そして遂に礼文島にじゅっさむが降り立つ(笑)



ちなみに礼文島は北緯45度30分東経141度4分に位置し、面積は81.97平方キロ
日本最北限の地であり、別名「花の浮島」と言われています。
このあたりの理由は後程。
名産はウニや利尻コンブ。地元の方によれば、利尻島周辺より、礼文島周辺の利尻コンブの方が
高級品だとか。違いがよくわからん・・・。
多分周辺環境によるもんなんやろうけど、高々この距離の差で大きく変わるのか?

気候は常に偏西風に曝されるため、非常に厳しく、高い木が全く育たず、特に西海岸では岩石の露出が目立ちます。
ちなみに、北海道内でも珍しく、エゾシカ・キタキツネ・ヒグマが生息していません。


激しくどうでもいいが、中島みゆきの「銀の龍の背に乗って」のPV撮影地だとか。
「Dr.コトー」が八重山で撮ってる事を考えると、全くの真逆やな。ドラマ⇔EDの関係やのに。




天候状況も芳しくなく、お金もないので、定期観光バスで当たり障りなく礼文島を回ることに。
この判断は割と正しかったです。
歩いていくととんでもない事になりますしね(笑)


定期観光バスが最初に訪れたのは、澄海岬。
礼文島西海岸の1スポットです。
ここに着いた辺りから、天気が好転。



この礼文島、旅するなら6月上旬から10月ぐらいまで。
つまりですよ。時期ズレちゃってるんですわ(笑)
この写真では澄海岬がただの禿山にしか見えないのですが、シーズンには色とりどりの高山植物に
覆われて、澄んだ海と相まって非常に美しい光景となります。
これが礼文島が「花の浮島」と言われる所以。
でもまあ、澄んだ海はこの時期でも健在で。
今朝までの荒天の影響で海が荒れ気味なのが残念なところ。
そして、何より特筆すべきは風の強さ!
礼文島はこれ以西に中国大陸まで何もないので、とにかく風が強い。
それも潮風なので、髪とか一気にベタベタに。
ちなみに、潮騒の際に空気中に塩が飛散するのだとか。これ、水産学部知識(笑)
この潮風の強風はカメラには打撃が大きく、ちょっと構えてただけでレンズが塩でベタベタに。
レンズフィルターしてて良かったわぁ・・・。



多分ミヤマオダマキ。
これが一例です。
この高山植物は約300種にもおよび、7月頃にはトッレキングコースが高山植物に覆われ、花道になります。
礼文島は島全体が保護区なので、勝手に高山植物を採取してはいけません。
それにしても、シーズンとオフシーズンで景色に差がありすぎる・・・。



西海岸の説明の看板。
澄海岬展望台の頂上にありました。


なお、澄海岬にある売店ではちょっと珍しいものが食べられます。



トド肉の串焼き。
北海道内ならトド肉カレーとか土産で売ってますが、なうで食えるのは中々無い。
アイヌの時代から、北海道本島とは遠いこの島ではトド肉が貴重なタンパク源だったとか。
今でも生活と密着しているそうです。
好き嫌いがわかれるそうで、味はクジラ肉に似て淡泊・・・。と言ってもわからないのが現代人の悲しきかな。




澄海岬を後にしたバスは、日本最北限の地・スコトン岬に向かいます。
日本最北限の地とは、これ以上北に日本の領土が存在しない限界の地という意味。
だから、日本最北端は宗谷岬で、日本最北限が礼文島だとか。
どうちゃうねん・・・?



ここから遊歩道を歩いて展望スペースに行くのですが、ここでも十分風がヤバい。
割と歩くのが困難なレベルです。



このスコトン岬はゼニガタアザラシやトドの繁殖地となっていて、夏場には正面に見えるトド島で
休憩しているアザラシやトドを見ることができるのだとか。
シーズンオフでも、海面から顔を出しているのがしばしば目撃されるそうですが、今回は全く見つかりませんでした。
ただ、トドもアザラシも害獣として最近有名になってきています。
地元の漁業従事者の方々はそこら辺どう思っていらっしゃるのでしょうか・・・?

本題に戻ります。
とにかくここも風がひどい。
澄海岬よりも風がひどかったです。
あまりの風の強さに、数枚写真を撮って退避。
お土産屋に引きこもります(笑)
お土産屋では店員のお兄さんと10分程談笑。
前日はフェリーが欠航になるぐらいの強風だったので、とんでもなく寒かったのだとか。
数人に土産を買って、スコトン岬も後にします。




最後に定期観光バスが向かったのは、元地地区。
猫岩・桃岩展望台。
なぜ、猫と桃かというと・・・



この通り。
桃っぽい岩と背中を丸めた岩のような岩。
海岸浸食と強風による風化によって出来た自然の神秘。
これは素晴らしいとしか言いようがありません。
桃岩の方は、バスとの大きさを比べてもらえれば、その大きさがわかると思います。
若干遠近法で、バスが実際より大きく見えるけど。
猫岩の方は写真では全然大きさがわかりませんが、こちらもかなり巨大です。


この2つの奇岩がある元地海岸の景色は以下の通り。



ここには礼文島の西海岸側で唯一と言ってもいい生活圏元地地区で、元地漁港を中心に成り立っています。
なお、香深と元地は歩いて30分ぐらい。
なぜこんな近くに漁港がある・・・。


ここも西側という事で、凄まじい風でした。

そして時はあっという間に過ぎ、定期観光バスも香深FTに戻ります。



香深FTの近くにある礼文町のカントリーサイン。
道の駅がなく、倶知安町や利尻町のように独自制作もしていないのでので、カントリーサインマグネットは手に入らず。
うーむ。少し道の駅の場所偏りすぎやろ。




香深FTで、移動に本当に邪魔なノーパをコインロッカーに預けて再出発。
目指すは・・・。
日本最北端の滝(公式)・礼文滝!!
礼文島に来たからには見んといかんやろ。
礼文滝は元地からが一番近いのですが、元地からのコースは落石により12年も前に閉鎖。
よって、林道からの回り道しかできないのです。


歩くこと20分。元地林道に到着。
ここからトレッキングコースを歩きます。
しかしだ!!いくら標高の低い山だからって、時期を考えなさすぎた・・・。
ここは北海道。
4月下旬じゃ、道北だと残雪も残ってるところが結構あります。



残雪あんじゃん・・・。
しかし、楽観視するのが俺の癖。
ま、いっか。と出発。我ながらアホや・・・。
途中で、レブンウスユキソウ群生地以降は積雪のため通行止めという看板もシカト!



トッレキングコース自体は、この林道コースの特徴もそうですが非常になだらか。
おかげで、行進自体は楽でした。
また、所々にある展望スペースから見る景色が絶景!!



何や余裕やん(笑)
そういって進撃を進める俺。
レブンウスユキソウの所までは快進撃でした。
何しろ、人を含め何も邪魔するものがない!!
・・・はずでした。


レブンウスユキソウ群生地を過ぎた辺りから、トレッキングコースにも残雪が目立つように。
そしてまもなく完全に積雪。
ここから強行突破しようとしたのですが、雪解け水の上に残雪が残っててそこにドボンと。
やっちゃったよ・・・。
よく見ればこの先も同じような展開が続くのが見える。
流石に引き返しました。
ああぁぁ・・・。
またしても百選に到達できんかった・・・!



なお、ここがレブンウスユキソウ群生地。
レブンウスユキソウは7月〜8月。季節外れもいいとこですね。



これは帰りに展望スペースから撮った写真。
ここは風が最強。
もはや立っていられないぐらいの風で、どうしようかと(笑)
水たまりにドボンした足が疲れてきたので、急いで香深FTに戻ります。



香深地区の風景。
空腹が疲労を後押ししていたので、急いでFTに戻ります。


しかし、どこも開いてない(笑)
仕方ないので、フェリーが来るまで爆睡(笑)
ここまで書いていませんでしたが、礼文島には礼文滝以外にも無名滝がいくつもあります。
香深FT付近にも無名滝が2つもあったのですが、景観損ねのコンクリがあったのと、一度座ったら
まったく足が動かないのとで撮りに行くのをやめました。
よっぽど疲れててんな。




帰りのフェリーはがら空き。
おかげで、2等船室を占拠して大爆睡&WALKMAN充電。
傍若無人にもほどがある(笑)
そして帰りも起きた時は稚内FTが目前に。



下船後すぐにノシャップ岬行きのバス探索。
しかし。
全く土地勘がないので、バスターミナルの位置がわからず、さまよい続けた結果、3分乗り遅れ。
おいおい。ここで計画中断かいな・・・。


仕方ないのでホテルに荷物置いて今度こそ晩飯と稚内探索!



稚内駅と日本最北端の駅看板。
稚内駅のターミナル化に伴い、殺風景になってしまいました。
まあ、建物は新しいけどさ。
少し残念です。
そういや、去年、ターミナル化直前の旭川駅の写真撮ったな・・・。



今度は北防波堤ドーム。
よく見るアングルの写真ですな。
面白みがない(笑)


それにしても、観光地なんかいほんまに。
食事処が皆無に等しい。
どこで飯食えばええっつーねん。
数少ない開いてた店舗は観光客相手にぼったくる値段。
ここは一番安かった駅の目の前の店をチョイス。



24時間ぶりの飯だー!!
蟹丼1500円。
でも、これは価値あるで。
蟹がめっちゃいっぱい入ってました。
しかもおいしかったし。
稚内に来たら、一度寄ってみたらいいと思います。


食事後に北防波堤ドーム横から稚内市を撮影。



その後ホテルに帰って写真整理後勉強・・・。
と思ってたのですが、この日の疲れ方がおかしかった。
もうずっと船に揺られてるが如く左右に揺れ続けて。
しかもこの時、風邪引いてたので、SDからPCに落としただけで速攻撃沈。
泥沼睡眠に入り1日目が幕を閉じたのでした・・・。




2011/04/29



あとがき

更新が遅れて申し訳ありません。
最近本当に忙しかったもんで・・・(汗)
今回の宗谷・礼文の旅ですが、この1日目、本当に疲れました。
高速バスの中でほとんど寝れなかったのがだいぶ体に堪えたみたいで、これが2日目にモロ
影響しました。
さて、2日目がどうなったのかは後編へのお楽しみです。
ちなみに、写真が今回から一眼クオリティになっています。
画質アップでお楽しみください(笑)



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