('10)黒松内






さて。なんでこんな時期に良所巡りが更新されるかというのには訳があります。
前回自転車の旅で、恵庭渓谷に行って以来旅はおろか、遊ぶ暇すらほとんどなしの日々。
あっち向けば会議、こっち向けば手伝い、そっち向けば試験という過酷な日々(?)が1カ月程過ぎた
ある日。遂にストレスは限界に達します。
俺をさんざん苦しめた微積Uの第3回試験終了の翌日、何があっても旅に出ると、選んだ行先は、
黒松内。黒松内岳の重滝を見に行こうと画策。
JR蕨岱駅から片道6.6kmの行程ながら、冬の重滝は一切情報が無い。
これは見てみる価値ありじゃないかと無謀な突撃を敢行したのでありました・・・。

出発は、札幌駅7時15分発の小樽行の電車から。
今回の旅は、防寒、食事、水分の対策をしっかりして臨みました。
おかげで、荷物が重い!!



しかし、どういうわけか、天候は前日の快晴とは打って変わって、大雪。
気象庁のアメダスから気象予測して、昼頃は降らないと判断したので、突撃したのですが・・・。
既に電車内から不安がチラチラ・・・。
銭函辺りで、石狩湾がほとんど見えない・・・。

1時間電車に揺られ、小樽到着。
小樽駅で待つ、長万部行きの電車に乗り換えます。



小樽を出た辺りで、一度雪がやみます。
これは運が向いてきたか!?

ところが、次の余市周辺で突然猛吹雪に。
おいおい。冗談はやめろ(笑)

そうしている間に、再び雪は止み、倶知安駅に到着。一度ここで対向車をやり過ごすために20分程停車します。



倶知安の次の、半年前に行った比羅夫駅は雪が積もり放題。
既にここから暗雲が・・・。

さらに蘭越で倶知安と同じ理由で停車。その隙に写真撮ります。



この時は雪止んでたんですがねぇ〜。
なんと、次の目名周辺で突然猛吹雪に。なんとホワイトアウトまで軽くなる始末。
ここでね。行先を長万部に変えておけばよかったもんを・・・。

そして、電車に揺られること約4時間。
遂に目的地・伝説の秘境駅の一つと目される蕨岱駅に到着します。
駅にあるのは、電気設備と看板と、車掌車を改造した待合室だけ。



はい、蕨岱で降りちゃいましたよー!
流石伝説の秘境駅・・・。寂しさが半端じゃない・・・。
実は、この蕨岱駅よりも3つ程さらなる秘境が存在するとのこと。
俺ですら絶対用事無いわ、そんなとこ(笑)

既に降りた瞬間から困難の連続。
雪かきなんて当然してあるはずもなく、一歩進むたびにズッポリと足が雪の中に!
仕方ないので、特別装備・スーパーかんじきをいきなり降臨(笑)
しかしだ。自分、足が異常に短いこと忘れてた・・・。これは割と厳しいぞ・・・!?



歩くうちに、黒松内町に到着。
え?お前、黒松内に行ったんじゃないのかって?
蕨岱駅は何気に長万部町にあるのですよ!!
ちなみに、ここから200m程で、目的地への林道が続きます。

入口のあたりは積雪約8cm。
ははは!余裕だ!と言ってた自分が恨めしい・・・。
丁度、林道の最初の地点から黒松内市街方面と、これからの目的地方面を撮影。



さて。ここで再出発するわけですが、いきなりの積雪20cmオーバーに大苦戦。
まともに歩けません・・・。
遂には足を上げる事を諦めて、雪を文字通りかきながらの進行へ。
この日、気象庁によれば、とりあえず今日までの今年最大の積雪量だったようで、所によって、積雪
30cmにもなっていたとか。
そんな事を知る由もなく、進行しながら写真を撮ります。



池は凍ってましたが、この日の最高気温が一応0.3℃だったので、気温は大丈夫でした。
少なくともこの時点では・・・。
だんだんとジーパンが水を吸ってきて、進むことおよそ2時間。
どれほど進んだのかもわからず、相変わらず深く積もる雪と格闘する俺。
辺りは再び雪がちらつき始め、気温もかなり下がってきます。
もう、体力も精神も限界に近付いてきたその時、前方に標識が!



これ、何キロ地点や!?と携帯で調べたところ、3km過ぎとの事。
残り2.5km。
もう、無理・・・。時間も体力も精神も限界だ・・・。
という事で、目的地に着くこと無く引き返しコースへ。
そういう意味では、これは春に行った川上村よりも最悪だ!!

帰りはそれはもう地獄でした。つーか、寒くて死にそうでした。
やる気の低下は、体温の低下を招き、スーパーかんじきに凍りついた雪がずっしりと足のおもりとなって
体力をさらに奪い、周りでは気温がどんどん下がりだす始末。ジーパンにしみ込んだ水分がさらに体温を奪います。
この時点でカメラを構えてる余裕すら無くなりました。
一刻も早く国道に戻りたいの一心で進むも、足は思うように動かず、地獄のような行進を展開。
辛うじて撮った一枚。行きのかんじきロードがまだ生きてて、少しは助かった・・・。
パウダースノーなので、崩れてダメなところもあったのですが・・・。



それでも進み、進み、行き2時間15分に対し、帰り1時間で林道を脱出。
ようやく生きて帰ったぞーー!と叫び出したい気分でしたが、とりあえずかんじきを外すと・・・。
普通に歩ける・・・。
よっぽど雪が重かってんな・・・。
そして、なんと林道を進み始めた頃にはまだ積もっていた雪が完全に雪かきされている件について。
もう、勘弁して下さい。

そして、生還者気持ちでの国道に出ると、突然天候は猛吹雪に!



こんなところでも、帰る邪魔をしますか!?
もう、車が見えないので危ないったらなんの。
一番酷い時は、50m先すら見えない、ホワイトアウト。
体を酷使してきた俺にはきつすぎます!

それでも、歩けば何とかなるもので。
藁にもすがる思いで蕨岱駅に着いたのは3時半。
あの車掌車改造の待合室で1時間ちょっと電車を待ちます。
この中には、鉄道ファンの人が残していった、秘境駅にはありがちな駅ノートがあります。
俺もそのノートに書き書きしながら・・・。
最初は吹雪から逃れられたので、凄く暖かいと思ったのですが・・・。



ここは無人駅。
当然暖房なぞ存在しません。
次第に、周りの気温に馴染み始め、ジーパンに染み込んだ水分が猛威を振るいだすともう大変。
とんでもない寒さに、じっとしていられません!!
書き終わって読んでいた、駅ノートを見るのも出来ず、待合室の中を一人でウロウロ。
もう、ただの変人です!
そして、吹雪以外は待合室と外で何気に気温が変わらない事を発見。
どうせならと、駅を写真に収めます。



まあ、そんな中で撮影した写真。
まともに撮れてるのなんかほとんどなく・・・。
結局まともに見れるのですら数枚という次元の撮影になってしまいましたよ。
それにしても、本当に寒かった!

陽が落ちてからは、吹雪も止み、辺りは静寂に包まれます。
電車が来るまでの残り数分が本当につらかった・・・!
そして蕨岱駅16時48分発の電車に乗って帰路につくのでした・・・。

ちなみに、良所巡りネタに、ただでは転ばん!!と小樽上陸作戦を考えていたのですが・・・。
冷え切った体に、そんな元気というか、気力は一切無く!
蕨岱から札幌まで、乗り換えを除いて震えながら大爆睡してました!
晩飯は札幌のステラプレイスで、久々にトンカツを食べたのですが、暖かい物を沢山食べて、家の
近くまで地下鉄で帰ったのに、体の芯まで凍えきった俺には、札幌の寒さでさえ、黒松内レベル(笑)
ガタガタ言いながら、家に帰り、アツアツの風呂に飛び込んだのでした。

ちなみに、翌朝、足腰の筋肉痛で悶えたのは言うまでもない。


2010/12/18



あとがき

めっちゃ久しぶりに、っつーか、初回以来の、旅からのブランクが少ない更新です。
お久しぶりです。武神です。
このページ、スタバで札幌駅の外を眺めながら優雅に書いております。
初めて家族のいない正月を過ごす俺にとって、少し外を見つめる機会というものが必要だと思いまして。
そう見てると・・・。世間っておめでたいなって(笑)
でも、彼らは彼らなりに考えて生きているのでしょう。
いやはや。自分で言っておいて全く意味がわからん(笑)
さて、今回の旅ですが、本文中にある通り死ぬかと思いました。
よりによって、俺が行った時に最大積雪量にならんでも・・・。
雪国ではヘビーな旅は不可能なようです(当然
これで最後にしますが、次の更新は当然2011年です。
俺も遂に20歳に到達し、人生の節目とも言えます。
2011年最初の更新は、宗谷岬か東北か・・・。
今のところは完全に未定です。
そういや、年末年始に転機が訪れるかもしれません。・・・。およそ1%ぐらいの確率で・・・。
それでは、また来年お会いしましょう!



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